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メタボ大会

 またダイエットに失敗した。反動で体重が増加してしまったのだ。しかも、皮肉なことに脂肪が体全体へ平均的にではなく、腹に集中して溜まってゆく。ある日、満員電車でメタボの部分が前の人に当たって痴漢に間違われる。

間違われる

 絶望的だった。警察に連行され、長丁場の詰問に耐えてどうにか誤解を解けたが、その時に深く負った傷は簡単に癒えなかった。正直人間というのは脂肪がついていなければ生きていけないと思っている。──いざという時のためにエネルギーを蓄えておく事はよい事のはずなのに・・・。──そうだ、貯金となんら変わりはないのだ。

 なるべくポジティブに考えて日々を過ごしていくが、やっぱり心底落ち込んでいた。多少嬉しい出来事があっても素直には喜べない。満員電車の心の病が尾を引いている。ところがある日、会社帰りの私に一人の男が話しかけてきた。その男が救世主となったのは今の私には知るよしもなかった。

「メタボ大会に出てみないか?」
「え?」

 相手は私をはるかに上回るメタボ体系。そんな男がなぜ私に話しかけてきたのだろうか。すっとんきょうな顔で答えた。

「あの・・・いえ、普通のメタボですよ」
「メタボは大きさではない。質だ質」

 男はそう言って私のメタボを撫でてきた。ヘソを中心に円を描くように撫でまわす。揉んだり叩いたりして、硬度も確かめた。

「立派なメタボじゃないか!まだまだ大きくなる!!」
「わ・・・分かるんですか!?」
「分かるとも。お前のメタボはもっとでかくすれば優勝を狙える!!」

メタボ強化

 男と出会って3日が経つ。油ぎったものを何も気にせず無心になって貪る。目的はただ一つ。メタボ大会に優勝して賞金1億を手に入れること。私の目標は体重ではなく、メタボを限界近くまで巨大化させ、全国の頂点に立つこと。食事は基本的に一日10回とした。おやつ代わりにビックマックを10個平らげたり、メタボの大きさを大きく左右する夕食は、高カロリーのケーキ2ホール!

 毎日体重が増えていくのがわかるが、体重はあくまでもメタボの質や大きさ、そして変化を把握するための目安のひとつにすぎない。それでも、やっぱり体重計に乗って数字が増えてる時は素直に嬉しい。メタボを叩いてみる。プルプルしていた。微妙にかわいい。もちろん順調に成長していることが確認できた。こいつはただのメタボだが、できれば愛着がわくように名前でもつけてあげたいと思った。

 一ヶ月後。大会10日前となった。私のメタボは日常生活に支障をもたらすほど、立派なものになった。強化メニューは、ただがむしゃらに食事するだけではない。時にはわざと外部からの衝撃を与えてあげたり、メタボの質が落ちないように入念にマッサージをしてあげたり、計画的にメタボを成長させていた。メタボに衝撃を与える内容については、電柱にわざとメタボから突進したり、自転車と正面衝突などをしていた。

 大会前日、男が私の家に訪問する。おそらく仕上がり具合を確認しにきたのだろう。

「おお、肉山!すごいメタボじゃないか!これなら優勝できるぞ!!」
男は私のメタボを揉みながら言った。その表情には確信の色が見えている。
「ありがとう安田さん!俺、一億とってくるよ!!」

 そして、大会当日を迎える!

メタボ大会

 メタボに興味をもつものにした立ち入りを許されない地下会場。場内はメタボマニアの熱気に包まれていた。興奮の覚めぬ中、司会者がマイクを手にした。

「さぁ、いよいよ始まります!第2回メタボ全国大会!!」

 会場はかなり広い正方形のワンルーム。パイプ椅子が四方壁際に3列設置されて、そこで観客が観戦する。ただ、控え室へ続くドアの前にだけパイプ椅子がよけられている。通路を確保するためだ。ドアは全部で3つあり、そのうち2つは控え室へと繋がっていた。その一室に出場準備にかかっている私がいる。隣にはサポートの安田さん、そして少し離れたところにもう一人の出場選手とそのサポーターいた。おそらく残りの選手はもう一つの控え室にいるのだろう。安田話かけてきた。

「肉山、出場選手はお前を入れて4人。ポイント制で勝敗が決まる。いいか、メタボの大きさだけが全てではない。質だ。そしてメタボをつかったパフォーマンスが大きくポイント加算に影響する」
「ポイント制ですか?」
「そうだ。大会の流れは三つのセッションにある。まずは、メタボ披露から始まり、つぎにメタボパフォーマンス。そして最後は・・・」
「最後は何ですか?」

 最後のとこだけ、じらしたように一旦間を置いてからゆっくりと続けた。
「メタボ耐久力テスト・・・これは覚悟したほうがいいぞ」
安田の一言に、私は息を呑んだ。耐久力ときてピンとくるのは痛み。最後が一番辛そうだが、それは他の3人とて同じことだ。──たった数分耐える痛みなど、いままでの人生の苦痛に比べたらたいしたことないのだ。ポジティブに思考を向けた。

「安田さん、行って来ます」
「よし、優勝して来い」

出場

「さぁ、いよいよ始まるぞメタボ全国大会!最強のメタボは誰だ!今、4人の人、いやメタボファイターがこの会場に出てきます!」
司会者の熱のこもった声と同時に扉が一つ開いた!私ともう一人の男の姿が露になる。スポットを当てられたのは私が先だった。観客が一斉に集まる。

「一人目のファイター!何と初出場ながら強力なメタボを手に入れ、さらに究極まで鍛え上げた男!大地を揺るがす鉄球、肉山一也!!」

肉山 一也

 メタボ披露はすでに出場した段階から始まっていた。観客達がなめまわすように私のメタボを凝視する。まるで宝石や壷が本物か見極めるために鑑定するかのように。続いて隣の男にスポットが当たる。司会者が大きな動作と一緒にその男を紹介した。

「二人目のファイター!去年惜しくも優勝を逃した優勝候補の一角といっても過言ではないだろうこの見事な人間離れしたギガメタボ!さぁ、今年もその破壊力を見せてくれるか!! 夜を支配するの大破壊満月、郷田半兵衛!!」

郷田 半兵衛

 郷田と呼ばれた男は自分が紹介されると、自慢のメタボを左右に揺らし、アピールした。
「お前ら見ろよ俺のメタボ!他の3人なんてめじゃないぜ!!」
その目は優勝を確実に狙っている目だった。私はそのメタボの大きさに圧倒された。たが、安田の言っていた通り、大きさばかりが全てではないので動揺はしなかった。3人目が紹介される。

 ドアが開き、見たこともないようなメタボを2つ目の当たりにする。どちらも郷田のものとはまったく違うタイプだった。その片方にスポットが当たる。司会者がさらにヒートアップした。
「さぁ、この男も今年初出場です!見てくださいこのメタボ!普通の形ではありません!どうやったらこんなメタボになるのでしょうか!?紹介します!生きる肉地獄、長山体重朗!!」

長山 体重朗

 長山は余裕の表情で私を一瞥した。同じ初出場のため、意識されている。そのメタボ、ざっと見たところ、メタボのパフォーマンスで勝負をかけるタイプのようだ。確かに変わった形をしているが、郷田みたく威圧感のようなものはあまり感じられない。そしていよいよ最後の一人が紹介される。その瞬間、会場が一気に静まり返った。司会者がゆっくりと口を開く。

「みなさんお待たせしました。第1回メタボ大会優勝の男が今年もやってまいりました!」

 絶妙なタイミングでスポットが最後の一人に当たる。観客の大歓声が始まった。これまでにないような大きさ、熱気。最後の一人は誰もが頷く圧倒的な力強いメタボだった。司会者がスイッチを切り替えたように一気にハイテンションになる。

「みてくださいこのすばらしいメタボ!これが日本を制したメタボ!今年も優勝を狙うというコメントをいただきました!この男こそが全国のメタボが目指す頂!人類最強のメタボ、相川饅頭塊(あいかわまんじゅうかい)!!」

長山 体重朗

 角ばったメタボには大きさだけでなく質のよさも感じされた。極限まで、鍛え上げられた真のメタボ。相川は王者の風格を纏っていた。その腹はまるで破壊力を秘めた鉄棍棒のようだった。

判定

 もうすでに大会は始まっていた。審査員3名によるメタボ採点がとりおこなわれた。初見にて焼きついたそのメタボのインパクトが大きく点数に絡むらしい。稀少さや可愛さは二の次にすぎない。ドアが開き、黒服が司会者に紙を渡す。結果が出たらしい。司会者は手に持ったマイクを口に近づけた。

「さぁ、結果が出ました!判定は・・・・相川50点!郷田30点!長山20点!肉山10点となりました!」

 ピンチだ。私の点数が一番低い。相川は勝ち誇ったような笑みで他の3人を見下した。その時の眼は明らかに高みの見物といった、まる鳥かごの外から飼っているインコちゃんたちを見るようなそんな目だった。

「次いきましょう、次」

 沸きあがる歓声の中、気が短いのか司会者は次のセッションへと頭を切り替えた。メタボの勝負を早く見たい。その気持ちが司会者を次の行動へと加速させる。私もまだ勝負を捨ててはいなかった。

「第二部!メタボパフォーマンス勝負です!」

 パフォーマンスを披露する順番は挙手式。一番最初に手を上げたのは郷田だった。よほど自信があるらしい。おもむろに奴は3人の前で自分のメタボを露にした。
「郷田選手です!郷田選手が挙手しました!」
スポットが郷田に当たる。
「俺のすごいパフォーマンスを前にするば、てめえらの士気は下がるだろうな!」
そう言いつつも、郷田は私と長山を見ていなかった。目線の先はずっと相川で、眼球が血走っていた。
「面白ぇ、見せてみろよ。てめぇのメタボ」相川が嘲笑を返す。

 そして郷田のメタボパフォーマンスが始まった。腹が風船のように膨らむと・・

郷田のパフォーマンス

 風船が破裂したような音とともに伸縮を繰り返す。そのゴムのような腹からでた音には十分に力強さを感じられた。そして審査員による採点に入る。メタボパフォーマンスの採点は、まだ鮮明に眼に焼きついている直後に行ったほうが正確な数値がでるようだ。結果が司会者へ告げられる。

「さぁ、郷田選手のメタボが披露されました!点数は・・・・72点!!」
郷田選手72点。どちらかというと良い点数だが、本人はよほど自信があったのか酷く落胆した。
「くそ、こんなはずじゃ・・・」
──私のメタボパフォーマンスは前半か、あるいは後半に披露したほうが有利なのか・・・そう考えているうちに長山の手が上がった。その態度から、"俺のものは郷田より凄い”と、勝利を確信しているように見えた。
「さあ、次は長山選手です!どんなメタボパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか!?」

 長山が前に出てメタボを動かす。

長山パフォーマンス

 メタボを膨らまし、複雑な形に変化させた。長山はメタボに神経回路がうまく繋がっている。そのため、意識をメタボを細部まで動かすさせることができる。だからこそ変形させることができた。郷田のメタボもすごいが、長山のものがそれを凌駕していた。
───だが、この程度ならまだ私に部がある。
───ダイナミックな動きで、そのメタボを凌駕するだろう・・・。

「こ、これはすごい85点です!!」

 技術力が評価され、パワー系の郷田よりも高得点を獲得することができた長山。勝ち誇ったように郷田を一瞥した。郷田の悔しそうな顔が長山の優越感を助長させる。
「ははは!これが俺のメタボだ!!」

「さぁ、次いってみましょうか!三人目は?」
私はためらわずに挙手した。最後だと逆に負ける・・・そんな気がした。
「肉山選手です!さぁ、前に出てメタボを動かしてください!」

 司会者に促され、前に出る。手がちょっと震えていた。
───この期に及んで緊張しているのか。大丈夫だ・・・。
私は練習でうまくいったときのことを思い出し、メタボを自分の好きなままに動かすことにした。

長山パフォーマンス

 手ごたえ、いやメタボごたえはあった。練習のことを思い出し、めいいっぱい腹に力を込めた。長山のように器用にメタボを動かすことはできなかったが、パワーを使って回転させることができた。観客からはそれはまるでファイヤーボールのように見えた。

「す・・・すばらしい!審査員も目が釘付けでした!去年の王者相川選手を間違いなく上回ります!温度上昇で発火する模様はまるでファイヤーボール!そう、ファイヤーメタボです!!点数は・・・100点!!満点を獲得しました!!」

 他の選手も驚いていた。たった一人、相川を除いて。

「さぁ、最後は相川選手です!今年のメタボは去年を越えるのでしょうか!?」
スポットが最後の男に当たる。私のメタボパフォーマンスを前にしてからも、その表情には余裕が見えた。王者の貫禄、そして去年よりもさらに仕上がった強固なメタボ。ゆっくりと相川の口が開いた。
「まぁ、見てろやザコども」
これみよがしにメタボを力強く左右に揺らしながら、意気揚々と前に出た。

 そして、今まで見たこともないようなメタボを披露する。ガチガチに硬くなり、地面に叩きつけられるメタボ。だが、それで終わりではなかった。メタボの深部から邪気を放ち、そのまま再び地面に打ち付ける。まるで死神が鎌を地面に突き刺したかのように。禍々しいが、観客は逆にそれを望んでいた。何でもよかった。革命的な・・・今までに見たこともないようなメタボ。死神のメタボだった。

長山パフォーマンス

「信じられませんこのメタボ!破壊力だけではありません!!二段構えです!説明は難しいのですが、まるで地獄から死神がやってきて巨大な鎌を地面に突き刺した・・・そんな感じです!王者相川、間違いなく去年を上回ります!!」
司会者が声を震わせながら言った。100点は確実だったが、今回は予想をはるかに上回ったため、特例が出た。プラス20点で、相川には120点が加算される。

「すごいぞ相川ーー!」
相川への歓声が響き渡る。しばらくそれがずっと続いた。司会者は自然に少し治まるまで待った。そして5分後・・・ついに最後のセッションに入る。ここで勝敗が決まるのだ。俄然相川が有利だが、私は最後まであきらめないつもりだ。

「最終対決!メタボ耐久力テストです!!」

 司会者が扉のほうに向きをかえる。そこがゆっくりと開きそこに中から現れたのは、ボール発射機だった。司会者の指がボール発射機を差した。

「あれでボーリングの玉を発射します!時速200キロ何発も!最後まで立ち上がったものが最高得点になるでしょう!!」

 淡々と説明する司会者をよそに、観客席が不安げにざわめいている。ボーリングの玉が時速200キロで何発もメタボ目がけて発射される。去年は時速150キロだったらしい。今年はそれをさらに上回るようだ。私は周りの選手の様子を見た。表情に変化のあるものは一人もいない。

 4人同時に前に出た。ボール発射機は4台。私は全員のメタボを一度頭で整理した。──1番有利なのは相川のゴツゴツしたメタボ。地面にあれだけの強さで叩きつけて傷ひとつないので鉄のような強度だろう。──他の二人は弾力で威力を吸収するタイプ。そして私はどちらのタイプでもない、メタボに力を入れ、炎の力で威力を相殺するタイプだ。

 司会者が開始の合図をする。戦いの火蓋が切って落とされた。

「さぁ、試合開始です!!」

 大砲のような轟音。それぞれの発射機からボーリングの玉がメタボ目がけて飛んだ。1発目。全員が絶える。観客席は静寂に包まれたままだった。時速200キロのボーリングの玉の威力は想像するだけでも恐ろしいものだ。2発、3発・・・全員まだ余裕の表情だ。私もこの威力なら鍛え上げられたメタボで何発も耐える自信があった。

 ところが、次の瞬間明らかに今までと違う音とともに、弾が飛んできた。一回り大きい弾。腹に今までにないような衝撃が走る。観客席から立ち上がるものが多くいた。私はそのときあることに気づいた。高速回転がかかっているとに。一息もつかせぬままま次の球が飛んできた。私はなんとか耐えたが、ここでとうとう一人が離脱する。

「うぐあぁああああ!!」

 初出場の長山。さすがに回転がかかっていると、ゴムのようなものでは対処しきれない。後方に倒れこみ、今まで痛みを我慢していたのか突然表情が歪む。
「む、無理だこんなの!」

「おっと、長山選手早くも負けてしまいました!」司会者が言った。

 3発目、4発目、私はメタボに力を集中させ絶え続けた。相川の様子を見る。さすが全大会優勝者だけあって、絶え続けているようだ。表情から察するにもある程度の余裕度を保っている。だが、対称的に郷田の表情は酷く歪んでいた。いつ倒れてもおかしくないくらいだ。長山と同じで風船のようにやわらかいタイプのメタボ。回転の威力に耐えられず、ダメージを受けた部分が真っ赤になっていた。いつ倒れてもおかしくない。

「こうなったら最後の手段だ!」

 気合を込めて、自分のメタボを叩いた長山。この期に及んで何を始めるのだろうか。メタボの状態を見る限りとてもこれからの砲撃に耐えられるようには見えない。この時、長山は既に勝負を捨てていた。真っ向勝負では私と相川に勝ち目がないと見て、選んだ選択肢はメタボ自爆という切り札だった。真っ赤に晴れ上がったメタボにさらに刺激を与え、メタボ自爆を引き起こすつもりだ。

 これだけの大きなメタボが破裂すると、場内大変なことになってしまう。長山はその破裂具合をアピールして特例で何とか点数を入れてもらえる展開を狙ってた。だがその願いはかなわなかった。球が長山目がけて飛んでくる。
「あぐああ!」

 長山は唸り声を上げ、そのまま後方に倒れ込んだ。残ったのは私と相川二人だけとなった。次々とくる砲撃。回転力は最初の頃よりますます鋭くなってきているような気がした。相川の表情を確認する。まだ余裕はありそうだが、少しずつメタボの色が赤く染まってきている。一方私のほうは、炎で最初から赤いため、状態を確認しづらい。相川がチラチラこちらを見ているが目を細めたりしている。私は余裕の表情を返した。分かりづらいメタボ状態を逆手にとって、余裕を見せて相手を焦らせる。

「ぐ・・・!」
相川の声だった。だが、確実に私の方がダメージが大きい。有利なのはどちらでもない。ダメージの大きい私と、忍耐力のなさそうな相川。私は勝負に出た。ここで命をかけることにする。自信はあった。そして10分後・・・、

 メタボ対決肉田勝利!

 ついに相川が倒れた!司会者が勢いでマイクを持つ。
「ついに、ついに相川選手が倒れました!ここで点数は順位順に1位150点、2位70点、3位35点、最下位は加点されません!」

優勝

「優勝は、肉山選手!」
スポットが私に当たる。僅差で勝利した。合計得点では相川が240で、私は260だった。メタボは耐久力が大きく評価されるようで、最後の最後で私は逆転勝利を収めた。
「優勝したぞぉおおお!」
私は優勝が決まったと同時に吠えた。表彰式でトロフィーと賞金を受け取る。安田さんに感謝した。私の新しい道が開けた。来年に向けてさらなるメタボの高みを目指すことを誓う。

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